法人破産のながれ

 

法人破産手続きのながれ

廃業や事業停止は、法人代表者としての最後の大仕事といえます。その際に、選択肢の一つとして、法人破産手続きは、法律上正当な手続きとして用意されています。
 
しかし、いざ事業を停止しようとしても、銀行や信用金庫からの借入れや、取引先や外注先への支払い、従業員の処遇や給与、事業所などの明渡し、代表者の方自身の今後の生活など多くの悩みが発生し、精神的にも追い詰めらる状況に陥ることもあると思います。ひとりで考えたり調べたりすることも大切ですが、抱え込む必要はありません。これまでの付き合いがないからこそ、ありのままを相談できることもあります。
多くの法律事務所が、相談料を無料で対応していますが、法人破産手続きに詳しくなかったり、事業規模が大きい法人や複雑な事案に対応できない弁護士もいます。

多摩・相模法律事務所は東京都町田市にあり、その立地から、東京地方裁判所本庁と立川支部、横浜地方裁判所本庁と各支部(相模原支部・川崎支部・小田原支部など)の法人破産手続きを数多く取り扱ってきました。特に、東京地方裁判所立川支部では、町田市や八王子市、立川市などの多摩地区における大規模な法人破産手続きに関し、破産管財人に選任されるなど、弁護士としての豊富な実績と深い専門知識に基づき、悩みや不安を抱える代表者の方々に寄り添い、心理的な負荷を軽減し、人生を再スタートさせるためのお手伝いをいたします。
町田市周辺で法人破産手続きをお考えなら、多摩・相模法律事務所へご相談ください。
 
まず、このページでは、法人破産手続きの全体像を弁護士が分かりやすく解説します。

1. できるだけ早く弁護士に相談(多くの弁護士が無料相談。依頼までしなくて大丈夫)

 
法人破産手続きは、複雑であるだけでなく、一つ一つの行動にリスクが付きまとう状況に陥っているため、多くの意思決定を慎重にしなければなりません。また、インターネットや書籍では、一般論しか記載されていないことも多く、ご自身の具体的な状況に当てはめて、取るべき手段を選択することは困難といえます。
 
多くの弁護士が無料相談に対応しています。ご自身の状況を客観的に把握したうえで、今後について冷静に検討することができるようになります。

また、法人を破産させるにも一定のお金が必要となりますので、法人の体力が少しでもあるうちに、できるだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

ご相談は、以下のような資料を拝見しながら丁寧にヒアリングし、現状を詳細に把握したうえで、適切な助言を行うよう心掛けています。
(以下は一例です。事業の内容等によって異なります。)
 

      • 借入先・未払先・未払賃金・未納の税金の一覧
      • 確定申告書(決算書等含む)3期分
      • 通帳や入出金明細2年分
      • 車検証や保険証券等保有資産が分かる資料
      • 未回収の売掛金請求書
      • 仕掛中の案件の契約書・見積書・請書等
      • テナント等の賃貸借契約書
      • リース契約書
      • 賃金台帳、労働者名簿、雇用保険、社会保険の資料
      • 当面の資金繰り表
      • 法人の登記簿謄本

 
 

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2. 相談を踏まえて法人破産手続きをするか検討

 
弁護士との相談によって、具体的にやるべきことがはっきりすると思いますので、立て直しを図るのか、法人の自己破産手続きを選択するのか、検討してみましょう。
 
 

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3. 法人破産手続きを弁護士に再相談、依頼

 
法人の自己破産手続きを選択する場合は、弁護士に再度連絡し、契約の日時を予約します。
 
 

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4. 弁護士から関係者に受任通知(介入通知)を発送。請求・督促がストップ

 
弁護士に法人破産の手続きを依頼された場合、当日または翌日から、順次、関係各所に対し弁護士の書面(受任通知)を発送し、すべての連絡を弁護士宛にするよう伝達します。

この受任通知によって、原則として、直接の連絡や督促はストップしますので、徐々に生活は落ち着いてきます。
 
 

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5. 自己破産申立て準備(ご自身による決算書や契約書など資料の収集。弁護士による破産手続開始申立書の作成)

 
相談時にお持ちいただいた資料や追加で必要な資料を収集・提出いただき、それらの資料を基に、弁護士が破産手続開始申立書を作成します。
 
また、弁護士にて債権者への説明や債権額の調査をおこないます。状況によっては、弁護士がテナントの明け渡しや設備の解約等をおこなうこともあります。
 
 

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6. 自己破産申立て・破産手続開始決定・破産管財人の選任

 
必要な資料を全て収集・提出いただき、破産手続開始申立書が完成しましたら、管轄の裁判所に発送します。

裁判所が申立書の内容を審査し、破産要件を満たしていると判断した場合、「破産手続開始決定」が出されます。
また、同時に、裁判所によって破産管財人が選任され、債権者集会の日時が決定します。

破産管財人は、裁判所から選任された弁護士で、法人の財産を適正に調査・管理し、換価(現金化)して債権者へ公平に配当する役割を担います。
 
 

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7. 破産管財人による財産調査・換価(資産の売却・売掛金等の回収、債権者への配当準備)

 
破産管財人が選任された後、法人の代表者の方は、管財人との面談に同席いただきます。
 
上記のとおり、破産管財人は、法人の現金、預金、不動産、動産、売掛金、有価証券等すべての資産を調査・管理、換価し、債権者や債権額の調査をおこないます。
 
さらに、必要に応じて、不当に流出した資産や未回収の売掛金の回収、テナントの明渡し、従業員の未払い賃金の計算や立替払い制度の利用、雇用保険の適用事業所の廃止届、社会保険の全喪届など、法人の閉鎖に向けた準備も進めます。
 
 

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8. 債権者集会(債権者への説明会)

 
裁判所において、破産管財人は、法人の財産状況や換価の進捗などを債権者に対して報告するため、債権者集会がおこなわれます。

債権者集会は、破産管財人が、これ以上必要がないと判断するまで、第2回以降も定期的に開催されます。

債権者集会には、法人の代表者の方も出席する必要があり、債権者や裁判官からの質問に回答する場合があります。当事務所の弁護士が同席し、適切な受け答えができるよう事前にアドバイスし、サポートします。

債権者集会が終われば、法人の代表者の方が破産手続きについてやるべきことはほぼなくなります。
 
 

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9. 配当・破産手続の終結・閉鎖登記

 
法人の資産や負債が確定し、債権者集会を経た後、破産管財人が、法律で定められた優先順位と割合に従って、法人資産を債権者へ公平に分配(配当)します。

配当が完了するか、配当すべき財産がないことが確定すると、裁判所が「破産手続終結決定」をします。

その後、裁判所が法人の閉鎖を登記し、法人の破産手続きは完了します。